2011年2月4日金曜日

イン・ザ・ゲットー / IN THW GETTO


イン・ザ・ゲットー / IN THW GETTO

エルヴィス・プレスリーらしくない歌です。

嘘っぽいのです。

そういうと、叱られるかも知れませんが、そう思っている人は多いと思います。

しかし、エルヴィスは長い間、寄付をしてきました。そういう目線に合わせるとおかしくないかも知れません。

でも、この歌はその範囲を超えているように思います。



ゲットーとは何でしょうか?

特定のエリアと判断すればいいのでしょう。



ボクたちは、共同体の中で暮らしています。
いろんな共同体がありますが、グローバルが最大の共同体として、小さなものでは家族がそうです。

問題を起す人々の特長は、共同体感覚の欠如があげられます。
共同体感覚がないと人生の建設的な側面から離れていく方向へ向かってしまいます。
いわゆるアウトサイダーです。

これらの人々を犯罪、中毒、精神障害へ誘導しますが、
人々へ関心を持つように導くことが最大の援助ではないでしょうか?


他者と関わるより、自分への関心が強く、疎外感から、他者への依存度を深めるものの、自分への誤った理解と関心が高いために、他者を信じられないため、構造的な不安に苛まれるために、消極的な攻撃性が強くなつったり、回避的になったりします。
どうしても敬遠させがちになります。



青年が死んでいった
曇った寒いシカゴの朝
また別の貧しい赤ん坊が生まれる
ゲットーの中で
そして赤ん坊の母親は嘆く

この歌詞は、一人の人間の中で起っている状態でもあります。
同時に同種の人が集まったアウトサイダーの集団であるひとつの共同体、つまりゲットーで起こります。

ひとりひとりを救助しない限り、
ゲットーへの救いの手は届きません。

・・・エルヴィスは歌います・・・

♪目分自身に目を向けろ
我々には何も見えないのか
クルリと向きを変えて
見て見ぬふりをしているのか

そして時は過ぎ
鼻をたらした空腹の少年が
冷たい風の吹く中、通りで遊ぶ
ゲットーの中で♪


救うためには、ひとりの人を救うには、その人に仲間へのまなざしを持たせ、共同体への関心を強めさせることです。

あなたの仲間のためにあなたが出来ることは何か?
それを実行することがあなたにはできるはず。
あなたの助けを求めている人がすぐ近くにいる。

他者を助けようとするとき、自分を救い出すことができます。

結局、他者への無償の愛こそが、自分への愛だというところにたどり着きます。


エルヴィスは歌います。

♪ そしてある晩、ヤケになり
無我夢中で走り出す
銃を買い、車を盗み
逃げようとするが、遠くへは行けず
彼の母親が泣く
荒んだ青年の回りには人たかり
銃を片手に、うつ伏せで死んでいる
ゲットーの中で ♪



この青年や母親はどこにいるのでしょうか?
それは自分の子かも知れません。
職場の同僚かも、上司かも知れません。
隣の奥さんかも知れません。学校の先生かも知れません。
アメリカ人の肥満を見て笑う人は少なくないけれど、
心が肥満体になってしまった日本人に
いまこそ響く<イン・ゲットー>のように思うのはボクだけでしょうか?

エルヴィスの優しい横顔が無性に懐かしく、切なくなる<イン・ザ・ゲットー>です。

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